【The Last Week's Emo】2024年6月3日(月)~2024年6月9日(日)

 今回もまとめていきます。(前回はこちら)

    目次

  1. 新譜・再発・グッズ関連情報 (A-Z)
  2. その他最新情報 (A-Z)
  3. 今週のミニコラム

新譜・再発・グッズ関連情報 (A-Z)

Big Scary Monsters


 イギリスのBig Scary Monstersから、ワシントンのIndie-emoバンド、Pedro the Lionの新作アルバムが正式に発表されました。

Burial Etiquette


 カナダのPost Skramzバンド、Burial Etiquetteのカバー曲がデジタル配信されました。Wicca Phase Springs Eternalの「High Strangeness」です。

Camp Trash


 フロリダのPost Post-emo Revivalバンド、Camp Trashの新曲がデジタル配信されました。

elizabeth whitington


 カリフォルニアのBedroom Emoソロプロジェクト、elizabeth whitingtonの1st アルバム『Quiet Pop Songs』のデラックス版が発表されました。CDは12枚限定です。

Eva Ras


 セルビアのScreamo Revivalソロプロジェクト、Eva Rasの新作EPがデジタル配信されました。

friend's house records


 ワシントンのfriend's house recordsから、新作コンピが発表されました。CDは100枚限定です。

Garden Angel



 テネシーのBedroom Emoソロプロジェクト、Garden Angelから、Waterkillとのコラボ曲と、新作アルバムがデジタル配信されました。

Mališa Bahat


 クロアチアのScreamo Revivalバンド、Mališa Bahatの初のフルアルバムがデジタル配信されました。

Middle-Man Records


 インディアナのMiddle-Man Recordsから、オーナーのShawn Deckerが在籍していたkaki.o.badiの唯一作の再発盤が発表されました。カセットは2種展開の47本限定です。

Numero Group


 イリノイのNumero Groupから、メリーランドのEarly Emoバンド、Universal Order of Armageddonの音源集が正式に発表されました。

Run for Cover Records


 マサチューセッツのRun for Cover Recordsから、イリノイのMidwest-emoバンド、Cursiveの新作アルバムとアパレルが予約開始になりました。レコードは2枚組の4色展開です。

Thumbs Up Records



 ウィスコンシンのThumbs Up Recordsから、同郷のTwinklecoreバンド、EndswellのデビューEPが正式に発表されました。

veliona. / Cementerio de Luciérnagas / Dear Diary, This is From My Teenage Angst to My Adult Self


 チリのveliona.Cementerio de LuciérnagasDear Diary, This is From My Teenage Angst to My Adult Selfによる3way スプリットEPがBandcampでもデジタル配信されました。

Wandering Years


 ニューヨークのBedroom Emoソロプロジェクト、Wandering Yearsの新作カバーEPがデジタル配信されました。

Zegema Beach Records


 カナダのZegema Beach Recordsから、同郷のBlackened Skramzバンド、Terry Greenの新作アルバムが発表されました。レコードは2色展開の300枚限定です。

その他最新情報 (A-Z)

elizabeth whitington


 Deapfth Pop RecordsのオーナーでもあるSarahから、elizabeth whitingtonの活動を終了することが発表されました。

Middle-Man Records


 インディアナのMiddle-Man Recordsの新作ポッドキャストがデジタル配信されました。今回のゲストはkaki.o.badiのTom Maherです。

Sadder Star


 Sadder Starの新作ポッドキャストがデジタル配信されました。

今週のミニコラム

Universal Order of Armageddon全作解説


 Numero Groupから、Universal Order of Armageddonの音源集が発表されましたね。1996年にKill Rock Starsから発表された音源集『Universal Order of Armageddon』に、2011年のライブ音源『Universal Order of Armageddon』を加えたものです。
 Emo黎明期の超重要拠点であるメリーランドで活動したバンドで、Early Emoを基盤にしつつ、Post-punkやArt Rockの要素も取り入れ、後のPost-emoに大きな影響を与えました。  ということで、今週はUniversal Order of Armageddonの結成から解散までの流れを簡単にまとめてみたいと思います。

 Universal Order of Armageddonは、Moss IconBorn AgainstLavaといったバンドに在籍していたTonie Joyと、Born Againstで一緒に活動していたBrooks Headleyに、Colin SevenとAnthony Malatが加わる形で結成されました(1)
 ちなみに、Brooksは現在、料理人としての一面もあり、ニューヨークでSuperiority Burger(2)というハンバーガー屋を経営しています。下北沢にも支店がありましたが、2023年に閉店してしまったようです(3)
 話を戻しまして、1993年にVermin Scum Recordsから初の作品として、デモ音楽『Universal Order of Armageddon』を発表します。


 すべての曲が後の作品にも収録されることになります(「Act Ⅱ」のみ、「Four Measure Start」に曲名が変更されます)が、良曲だらけですでに音楽集のような風格さえ感じます。伝説バンドを渡り歩いたTonieが中心ということもあって、デモの時点でとてつもない完成度です。
 その後、同じくVermin ScumからデビューEPである『City』を発表します。


 全曲、デモ音楽から選曲されたものですが、印象的なアートワークもあり、こちらのイメージの方が強いのではないでしょうか。個人的に「Close to Far Away」がUniversal Order of Armageddonの曲で一番好きです。
 ちなみに、表面のアートワークは久司道夫(4)の著書である『Your Face Never Lies』(5)の挿絵から引用されたものです。Discogsだとなぜか裏面のアートワークが表になってますね。  続いて、スプリットとシングルを発表します。



 Born Againstとのスプリット『Split』の方は、HeroinのMatt Andersonが運営していたGravity Records、シングル『Symptom』の方はPost-emoを語る上で欠かすことのできないJade Treeから発表されました。ScreamoとPost-emoの両方に影響を与えたことがよくわかります。
 1994年になると、EPを2作連続で発表します。



 『Universal Order of Armageddon』はGravityから、『The Switch Is Down』はUnwoundElliott Smithなどの作品で知られるKill Rock Starsから発表されました。
 これらの作品を発表後、バンドは解散し、TonieとAnthonyはThe Great Unravelingというバンドを始め、よりPost-punk要素の強い音楽性へと進んでくことになります。
 解散から2年の1996年にはKill Rock Starsから初の音楽集『Universal Order of Armageddon』が発表されます。


 なぜか、Gravityで発表したEP『Universal Order of Armageddon』に収録の「Longer, Stranger」と「Desperate Motion」のみ未収録です。
 その後、2010年の7月25日(6)と2011年の1月20日(7)に再結成してライブを行っています。その流れで、Gravityからライブ音源『Universal Order of Armageddon』を発表することになります。


   今回の音源集ではしっかりこちらも収録されています。

脚注









 ということで今回は以上になります。それでは、また来週をお楽しみに。


-Yasuaki