【The Last Week's Emo】2024年4月29日(月)~2024年5月5日(日)

 今回もまとめていきます。(前回はこちら)

    目次

  1. 新譜・再発・グッズ関連情報 (A-Z)
  2. その他最新情報 (A-Z)
  3. 今週のミニコラム

新譜・再発・グッズ関連情報 (A-Z)

Camping in Alaska


 アラバマのTwinkly-emoバンド、Camping in Alaskaからツアーで販売される新作アパレルとEP『Please Be Nice』の再発盤が発表されました。カセットは150本限定です。

celebration guns


 アリゾナのTwinkly-emoバンド、celebration gunsの新作EPが正式に発表されました。

Clay Birds


 カリフォルニアのPost Skramzバンド、Clay Birdsの新作アルバムがデジタル配信されました。

Decibel Magazine




 Decibel Magazineの最新号に、バージニアのPost-screamoバンド、City of Caterpillarの新曲を収録したFlexi-Discが付属するようです。

Dipterid Records



 イリノイのDipterid Recordsから、ウィスコンシンのMath Emoバンド、Murder in the Red Barnの編集盤が発表されました。2003年に録音され、2019年にFTAM Productionsからスプリットとして発表された7曲に、未発表曲2曲を加えた全9曲入りで、レコードは3色展開の288枚限定です。

Expert Work Records


 ミズーリのExpert Work Recordsから、ウィスコンシンのMidwest-emoバンド、Tintorettoの全曲再録による音源集が予約開始になりました。1曲が先行配信されてます。フォーマットはレコード(2色展開の350枚限定)とCD(100枚限定)です。

Inerme Discos


 アルゼンチンのInerme Discosから、同郷のPost Post-emo Revivalバンド、ILESOの音楽集がデジタル配信されました。

Into It. Over It.


 イリノイのPost-emo Revivalバンド、Into It. Over It.の編集盤が発表されました。レコードはStorm Chasers LTDBig Scary Monstersの共同で、2色展開です。

Kaiju Daisenso


 GospelTetsuo(ニューヨークの方)などのメンバーが在籍しているKaiju Daisensoから、1st アルバム『Kaiju Daisenso』の10周年を記念した編集盤が発表されました。1st アルバムにEP2作品を加えた全18曲入りで、カセットは33本限定です。

Larry Records



 ニューヨークのLarry Recordsから、c h pointの変名プロジェクトであるSpring 2005の1st アルバム『Ellie Kemper』のレコード版を制作することが発表されました。デラックス版と通常盤の2種展開の175枚限定です。

Smoothie Recs



 タイのSmoothie Recsから、マレーシアのScreamo Revivalバンド、Piri Reisの1st アルバム『Ritma』のカセット版が発表されました。2色展開の50本限定です。

State Faults



 カリフォルニアのScreamo Revivalバンド、State Faultsの1st アルバム『Head in the Clouds』と1st EP『Desolate Peaks』の再発盤が、Dog Knights ProductionsUtarid Tapesの共同で発表されました。

Zegema Beach Records



 カナダのZegema Beach Recordsから、Gossipの新作EP(レコードは2色展開の250枚限定)と、Usurp Synapseの新作EP(カセットは4色展開の128本限定)が発表されました。

その他最新情報 (A-Z)

Larry Records


 ニューヨークのLarry Recordsから、アルゼンチンのEmocrustソロプロジェクト、mis sueños son de tu adiósの編集盤のレコードを制作していることが発表されました。続報を待ちましょう。

Middle-Man Records


 インディアナのMiddle-Man Recordsの新作ポッドキャストがデジタル配信されました。今回のゲストはHeavenly Blueです。

onewaymirror


 カリフォルニアのPost Skramzバンド、onewaymirrorから新作シングルを制作していることが発表されました。ZBR Festで先行販売されるようです。

今週のミニコラム

Tintoretto -ManagraからMurder in the Red Barnへ-


 ついに、Expert Work RecordsからTintorettoの音楽集が予約開始になりましたね。唯一の単独作であるEP『The Sound Of Someone You Love Who Is Leaving... The Sound Of Someone You Love Is Leaving... And It Doesn't Really Matter』に、スプリットに収録の4曲を加えた全8曲入りです。ただの音楽集ではなく、エンジニアとしても活動しているドラムのShane Hochstetlerのもとで全曲再録(デジタル版にはオリジナル音源も収録されています)されたもので、これが渋さましましで非常に素晴らしいです。 
 さらに、Tintorettoのメンバーが後に結成したMurder in the Red Barnの編集盤もDipterid Recordsで予約開始になったということで、今週はTintorettoとその周辺のバンドについて簡単にまとめてみたいと思います。

 Tintorettoはウィスコンシンの6人組のMidwest-emoバンド、Managraに在籍していたWilliam Zientra、Mike Batzler、Shane Hochstetlerを中心に結成されました。ManagraParis, TexasThe Last Crimeなどの作品で知られるAction/Reactionから、EP『Managra』とフルアルバム『Modern Day Rememberance』を発表し、Cap'n Jazzや初期のBraidなどのMidwest-emoを基盤にしつつもDrive Like JehuClikatat IkatowiなどのSan Diego Chaotic要素も取り入れたスタイルでした。ちなみに、バンド名は海外ドラマ「Doctor Who」の小説版14巻(1)のタイトルから取られています。

 そして、フルアルバムを発表した直後の1995年に、前述した3人にBill Kutschが加わる形で、Tintorettoが結成されます。翌年に、MeadowlarkJessica Sixなどの作品で知られるHighwater Recordsから、EPを発表します。Managraの直後に結成され、音楽性もかなり近かったことから、当時から比較されることが多かったようです(2)。ちなみに、バンド名はイタリアのルネサンス期の画家であるTintoretto(3)から取られています。 
 2000年になるとTintorettoも解散するのとになり、ドラムのShaneが活動していた3ピースバンド、Hero of a Hundred FightsにWilliamが加入し4人体制になります。Hero of a Hundred Fightsは1999年にベースボーカルのChris Groveが運営していた404 Recordsからフルアルバムを発表していました。ManagraのフルアルバムやTintorettoのEPと同様にFigureheadのEric Atkinsonがレコーディングを担当していたこともあり、それらのバンドの影響下にある音楽性でした。  
 そして、Williamの加入後の2001年にはあのSteve AlviniのもとでEP『The Remote, The Cold』を制作することになります(4)。これがまた素晴らしい作品で、ManagraTintorettoを通過したスタイルを基盤にしつつもよりMath Rock要素が強めで、後のPost-screamoを彷彿とさせるような緻密に計算された展開が堪らないです。個人的にはTintoretto周りのバンドで一番好きです。ちなみにバンド名はイギリスのロマン主義画家William Turnerの作品「The Hero of a Hundred Fights」(5)から取られています。

 ただ、このHero of a Hundred Fightsもその後に解散し、ドラムのShaneは一時期Haymarket Riotに参加したこともありましたが、エンジニアとしての仕事がメインとなっていきます。Williamの方は404 RecordsでEP『Get In Before The Rain』を発表していたMurder in the Red Barnに参加します。2003年にはThe Passenger Train ProposalSutek Conspiracyなどで知られるEd Walters RecordsからEP『Murder In The Red Barn』を発表する、知る人ぞ知る優良Math Emoバンドです。ちなみにバンド名は実在する殺人事件である「Red Burn Murder」が由来となってます(6)

 ということで、どのバンドも素晴らしいので、渋めのEmoがお好きな方はぜひ聴いてみてください。

脚注








 ということで今回は以上になります。それでは、また来週をお楽しみに。


-Yasuaki