【The Last Week's Emo】2024年7月1日(月)~2024年7月7日(日)

 今回もまとめていきます。(前回はこちら)

    目次

  1. 新譜・再発・グッズ関連情報 (A-Z)
  2. ライブ情報 (A-Z)
  3. その他最新情報 (A-Z)
  4. 今週のミニコラム

新譜・再発・グッズ関連情報 (A-Z)

Blind Girls


 オーストラリアのScreamo Revivalバンド、Blind Girlsの新作アルバムが発表されました。Persistent Vision RecordsSecret Voicelife.liar.regret.recordsの共同で、フォーマットはレコード(3色展開の750枚限定)とカセット(2色展開の250本限定)です。

dim


 ジョージアのPost Skramzバンド、dimの新作アルバムが予約開始になりました。1曲が先行配信されてます。

Don Giovanni Records


 ニュージャージーのDon Giovanni Recordsから、ペンシルベニアのPost Post-emo Revivalバンド、Mechanical Canineの新作アルバムが予約開始になりました。フォーマットはレコード、カセット、CDです。

Honeysuckle Records


 ミズーリのHoneysuckle Recordsから、カリフォルニアのBedroom Emoソロプロジェクト、maybe it's best…の2nd アルバム『winter songs』のCD版が発表されました。30枚限定です。

Lakes


 イギリスのPost Post-emo Revivalバンド、Lakesの新曲がデジタル配信されました。

Polar Summer


 ロシアのPolar Summerから、トルコのPost Skramzバンド、plein de vie.のEP『Akrobatlar Sava​ş​ı Yitirdi』の再発盤が発表されました。20本限定です。

Sands of Time Recordings


 ペンシルベニアのSands of Time Recordingsから、ニューハンプシャーのThe:Encliticの音源集が予約開始になりました。フォーマットはCD(300枚限定)とレコード(2色展開の300枚限定)です。

Tenue



 スペインのEmocrustバンド、Tenueの新作EPが予約開始になりました。1曲が先行配信されてます。

Zegema Beach Records


 カナダのZegema Beach Recordsから、ドイツのEmocrustバンド、Spoiledの唯一作『AV_Syndrome_0​.​1』のレコード版が発表されました。66枚限定です。

ライブ情報 (A-Z)

Gingerbee


 多国籍Bedroom Emoバンド、Gingerbeeから、7月と8月に行われるツアーの日程が発表されました。

その他最新情報 (A-Z)

Long Legs Long Arms


 日本のLong Legs Long Armsから、ノルウェーのPost-screamoバンド、Snörasの音源集を制作していることが発表されました。続報を待ちましょう。

Sadder Star


 Sadder Starの新作ポッドキャストがデジタル配信されました。

今週のミニコラム

オーストラリアのScreamo黎明期


 オーストラリアのScreamo Revivalバンド、Blind Girlsの新作アルバムが発表されましたね。2022年に発表された『The Weight Of Everything』から約2年ぶりとなる3rd アルバムで、今作でも衰えることがない熱量を感じます。元々、Emoviolenceの要素が強い音楽性で、昨今のEmocrustへの影響も見逃せません。
  ということで、今週はオーストラリアのScreamoの黎明期について簡単にまとめてみたいと思います。

 黎明期に関しては情報がほぼないので、90年代にScreamoシーンが形成されていたかは不明です。自分が知る限り、2003年に発表された詳細不明のコンピ『Muffincore!(1)が黎明期を知る重要な作品になるかと思います。 
 レーベルの表記もないようで、謎の多いコンピですが、Organ Doner KebbabThe Paddington Bear Affairなどのバンドが参加しています。これらのバンドは、おそらくオーストラリアのScreamoシーンの最初期のレーベルだと思われるShriek Soundsで作品を発表します。

 Shriek Soundsは、前述したコンピと同年にFaster Than FallingのEP『You'll Never Know You're Infinite』をレーベル第1作として発表します。翌年の2004年にはFaster Than FallingのChris Hearnが在籍していたOrgan Doner Kebbabのアルバム『Fun for the Kids』が発表されます。


 黎明期らしいHardcore要素が多く残った作品ですが、随所にScreamoやEmoviolenceの影響が感じられます。
  さらに同年には、SophoraUtaridのスプリット『Sophora/Utarid』や、前述したFaster Than FallingOrgan Doner KebbabのChrisが在籍していたBene Gesseritなどの作品が続きます。Sophoraは、後にTo the NorthApparitionsなどを結成するCameron Gillardが在籍していました。
  翌年には、後にNebraskaSwan Districtsなどを結成するメンバーが在籍していたThe Paddington Bear AffairのEP『The Paddington Bear Affair』が発表されます。



 NebraskaはEarly Emoの影響を強く感じる原点回帰的な音楽性です。Swan Districtsの方はTime as a Colorから音源集が発表されていることからわかるように、Post Indie-emo直系の涙ちょちょぎれ系Emoです。
  Shriek Soundsはレーベル自体の詳細は不明ですが、作品を発表したバンドはその後にScreamoの枠を越えて活動したメンバーも多く、オーストラリアのシーンにとって重要なレーベルであったことがわかります。

 その後は、Hey Presto!(2)Yellow Ghost Recordsといったレーベルも登場します。  Hey Presto!james dean.をはじめとして、イギリスのWhat Price, Wonderlandなどの作品を発表しますが、特筆すべきはEucalyptでしょう。


 Eucalyptは、2006年頃に結成されたバンドで、前述したBene GesseritのLawrence Hallが在籍していました。これまで紹介したバンドの中では作品数も多く、Utarid Tapesから音源集『Collection』を発表したこともあり、オーストラリアのScreamoシーンにおける中心的な存在といえるでしょう。

 Yellow Ghost Recordsの方はというと、QuébecOrlacs Händeなどをはじめ、AmpereOff MinorDaniel Striped Tigerなどの海外のバンドの作品も発表していました。


 Orlacs HändeはSan Diego Chaotic風味を感んじる音楽性で、作品は1作しかないですがかなり良いです。

 そして、2010年以降もlife.liar.regret.recordsLumens House Recordsといったレーベルが登場し、Blind GirlsSalt MoneyGil CerroneKeratinなどのバンドが次々と登場することになるわけです。

脚注




 ということで今回は以上になります。それでは、また来週をお楽しみに。


-Yasuaki